フリーターとして働いていると、保険に関しては正社員とは違う扱いを受けることが当たり前だと思われていますが、実はフリーターであっても正社員と同様に社会保険に加入することは可能です。


今回の内容では
- 社会保険の基本的な知識
- フリーターが社会保険に加入するメリット
- 社会保険はフリーターにとって得か?損か?
これらについて分かりやすく解説していきます。
とりあえず入る入らないは置いといて、社会がどのような仕組みで保険のシステムを作っているのかを理解しておくだけでも考え方が大きく変わりますよ。
目次
社会保険について簡単に解説!

まずこの『社会保険』というのは、簡単に言ってしまえば私たちが普段生活する中で様々な保証を受けさせてくれる保険制度のことを言います。
日常生活を過ごしていると、ふとしたときに様々なリスクに遭遇することがあります。
突然自分の体調が悪くなる
仕事をしている最中に体を怪我して働けなくなる
家族の介護を手伝わなければならない
もしこれらのネガティブなイベントが起こった時、何も保健に加入していない状態だと全てを自分のお金で解決しなければなりません。
しかし事前に社会保険に加入しておくことによって、上記のようなリスクが万が一現実となった時に、最低限の生活を保証してもらうことができるのです。
これらの保健で一般的に知られているのが
- 雇用保険
- 年金保健
- 介護保険
- 医療保険
- 労災保険
これら5つの保健になります。
この厚生年金というのは、多くのフリーターが加入する国民年金に上乗せされる年金のことを言います。
正社員の場合、国民年金と厚生年金にプラスして、さらに企業年金も受け取ることができるため、老後の保証がかなり手厚くなります。
福利厚生が大切だと正社員が話すのは、職場によって福利厚生の待遇が違うことが理由です。

若いうちは誰でも元気に働くことができますが、40代50代となってくると、当然若い頃とは違って自分の体の不調を訴える機会が増えてきます。
そうなった時、社会保険に加入して自分の身を守る準備をしている人とそうではない人とでは、受けられる待遇が大きく変わってくるため、フリーターであっても最低限の社会保険の仕組みは理解しておくべきなのです。
フリーターが加入できる社会保険はどれなの?
上記で5種類の保健があるとお伝えしましたが、フリーターの場合、自分の働き方や勤務先によって加入できる社会保険の種類が変わってきます。
厚生年金保険
日本に生きていると、健康保険に当たり前に加入するように20才を超えたら『年金保険』へ加入します。
年金の種類に関しては大きく2種類あり
国民年金:20歳以上60歳未満が加入するもの
厚生年金:厚生年金を受けられる会社に勤めていて、最低限の条件を満たした時に加入できる年金
年金の話は途中でも詳しくお伝えしましたが、厚生年金に加入することで将来的に受け取れる年金の支給額がアップするメリットが挙げられます。
ちなみにフリーターの場合、一定ラインの条件をクリアすれば、この厚生年金に加入することは可能です。
・勤務時間と日数が正社員の4分の3以上
・年収106万を超えている
・雇用期間の見込みが1年以上
・学生ではない
・週20時間以上の勤務

ただしフリーターの場合は扱いが『非正規社員』となるため、職場環境によって待遇が大きく変わってきます。
今働いている職場が厚生年金に加入できれば良いですが、もしこれからアルバイトを探す場合には、条件として『厚生年金に加入できる職場』を選んでおきましょう。
雇用保険
そして非正規の扱いになるフリーターにとって、この『雇用保険』はかなり重要な保健になります。
雇用保険とは『失業した際に一定期間給付金が受けられる保険』のことを指します。
万が一、今自分が働いている職場で仕事ができなくなった場合、一気に収入がゼロになってしまいますが、雇用保険を使えば給付金を最長11ヶ月受け取ることができるため、別名『失業保険』とも呼ばれています。

どうしてもフリーターは収入が安定しませんから、この雇用保険に加入することは大きなメリットと言えるでしょう。
労災保険
この保健は『万が一仕事中に怪我をしてしまった場合に給付金が支払われる保健』のことを指します。

従業員を雇う企業であれば、この労災保険に加入させることは義務付けられていますから、万が一怪我をしてしまったら保険料は全額企業が負担してくれます。
ちなみにこの労災保険は、正社員だけではなくパートやアルバイトも必ず加入しているため正社員やフリーターを区別する必要はありません。
介護保険
これに関しては、日本国内に在住する40歳以上の方は必ず加入しなければならない保険になります。

保険料に関しては、健康保険(国民健康保険)料に含まれてはいますが、65歳以上になると年金から天引きされることになるため、それだけは理解しておきましょう。
フリーターは社会保険に入るのはお得?それとも損?

フリーターとして働き続ける場合、上記でお伝えした社会保険に加入すべきか?それとも加入せずに働くべきか?ここは迷うところだと思いますが、実際は得か損かと言われれば
加入した方が得
になります。
その理由としては大きく3つ
保険料の半分を会社が負担してくれる
将来的にもらえる年金額が増える
傷病手当金・出産手当金がもらえる
保険料の半分を会社が負担してくれて受け取れる年金額が増える
フリーターからすると、毎月の国民年金の支払いが苦しくて仕方がないですが、社会保険に加入して厚生年金を受けられるようになると、企業側が半分保険料を負担してくれることになります。
途中でもお伝えしましたが、厚生年金は『国民年金』と『厚生年金』の両方を支払っていることになるため、安い保険料を支払いながら将来的には国民保険よりも大きなお金を受け取れます。
単純に計算してみると分かることですが、将来的に受け取れる年金の受給額は国民年金を支払っているだけのフリーターの倍近くになるため、未来の投資としてはお得だと言えます。
もちろんこれからの時代は、私たちが老後に年金を受け取れないリスクも考えられますが、それでも保険料の半額を企業が負担してくれるメリットを考えると、国民年金だけ支払う働き方よりもメリットがあることは事実です。
傷病手当金・出産手当金がもらえる
健康保険と医療保険大して変わりはありませんが、社会保険に加入していない場合はこの『傷病手当金』と『出産手当金』を貰うことができません。
どうしても働けない時にお金が貰えるのは社会保険に加入している人たちだけなので、これに関しては社会保険でしか得られないメリットとなります。
フリーターが社会保険に加入する最大のデメリットについて

社会保険に加入することで、今まで抱えていた保険関連の不安はほとんど消えることにはなりますが、問題は
『支払う金額が増えて手取りが減るリスクがある』
ことです。
まず、今まで自分の手で国民年金や健康保険を支払っていると、給与明細にはその2つのお金は引かれていないため、手取りが多くなります。

そして収入の金額によっては厚生年金に加入することで損をすることもあるため、厚生年金の手厚いサポートというメリットばかりに気を取られずに
- 今自分が働いている職場の待遇
- 自分の年収
これらを加味してから社会保険に入るべきかどうかを検討する必要があります。
フリーターが社会保険に入るために満たすべき条件

フリーターとして働いている場合、社会保険への加入は『会社側の負担が増える』ことにもなるため、労働環境によっては厚生年金に加入できない事例もあります。
社会保険に関しては全て会社側が手続きを行うため、加入したい意思があっても自分では手続きができなため、もし条件を満たしているのに社会保険に加入できない場合には、待遇の良い職場に転職することも考えましょう。
フリーターが社会保険に加入するための条件は以下の通りです。
健康保険・厚生年金への加入の条件
法律が改正される前
週に30時間以上の労働をしていれば社会保険に加入することが可能
1,週20時間以上の労働
2,月額88,000円以上の稼ぎ
3,勤務期間1年以上(見込みもOK)
4,学生ではない
5,従業員501人以上の会社
2015年には従業員500人以下の会社でも、1〜4の条件を満たしていれば社会保険に加入することは可能になっています。
参考サイト:政府広報オンライン
雇用保険の加入条件
- 1週間の労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
こちらに関しては、健康保険や厚生年金に加入していれば問題なく適応される保険となりますので、特に細かく調べる必要はありません。
フリーターは社会保険に入る入らないは自由だが『事実』は理解しておくべき!

以前は法律が厳しく定められていたため、正社員以外の人間が社会保険に入るのは条件が高い世の中が作り上げられていましたが、最近は非正規社員の増加やフリーターが増えて来たことによって、年々この社会保険に加入する制度が緩和されてきました。

年収150万円のアルバイト従業員は、社会保険として年間23万円が徴収されますが、そうなると年収130万円で社会保険に加入しないアルバイト従業員の手取り額を下回ることになり、結果的に損をすることになります。
しかしそれ以上の場合は
給付金・年金等が支給される
社会保険料が所得から控除されて住民税や所得税がへる
労働時間・年収の上限を気にせずに働ける
これらの恩恵を受けられます。
ただ、条件を満たせばフリーターが社会保険に加入できることは事実ですが、この記事を読んでいるあなたが働いている職場が社会保険に加入させてくれるかどうかは分かりません。

失業や病気になった時に、自分の生活の最低限を保証してくれる社会保険。
しかしフリーターが社会保険に加入することで、今までの働き方よりも手取りが減る可能性があることも事実。
それらを加味して考えると、この先の自分の生活に保険をかけておきたい場合は社会保険に加入する価値はありますが、毎月の手取りを少しでも多く残したい場合には、今のままフリーターとして働き続けるのが良いかもしれません。
もし社会保険に加入して高い収入を得たいのであれば、フリーターの立場を抜け出して正社員として働くのが得策です。
若いうちは保険なんていらないと考えるかもしれませんが、これが40代50代になってくると必ず体にガタがきます。
その時に、何の保証もないフリーターの働き方をして、尚且つ社会保険に加入していない状態で万が一のことがあったら、その時点で金銭的に困窮することは分かりきっています。
今の自分の10年後・20年後の未来を想像しながら社会保険に向き合うことで、自分がどのような選択肢を取るべきかがきっと見えてくるはずですよ。



