平成26年度の調査によると、個人の理由で大学を中退してしまう学生の割合は10%という数字が出ています。

この数字を見れば、今の日本で大学を退学することはそこまで珍しいことではないことが分かりますが、問題はその先にある『就職』に大学中退の過去が響くことです。
実際、大学を中退する理由がポジティブな人は
- 学生時代に起業をした
- 学生時代に別の進路に進むことが決まった
このような一部の人たちだけです。
その他の中退者の大半は、ネガティブな理由で大学を去ることになります。
この選択をすると、大学を辞めてからしばらく経った時に
『自分はとんでもない間違いを犯しているのではないか?』
そのような強烈な不安が襲ってきて、その後の進路を決めることができずにニート期間が長引いてしまうこともあります。
大学中退
この選択をした時、その後の人生で大卒者と同等、もしくはそれ以上の良い人生を過ごすことは可能なのか?
ここではその点について詳しくお伝えしていきたいと思います。
悲観的に考える必要はなく、むしろ『やり方次第ではいくらでも逆転可能』だということがこの記事を読み終える頃には伝わっているはずです。
目次
大学を中退したら人生が悪い方向に向かうのは本当なのか?

まず結論をお伝えしまうと、大学を中退した段階で学歴は『高卒』として扱われますから、一般的に出回っている学歴別の生涯年収のデータだけを見れば、高卒者は大卒者よりも生涯年収が低くなっています。
学歴(生涯年収) | 男性 | 女性 |
中卒 | 1億9400万円 | 1億3750万円 |
高卒 | 2億730万円 | 1億4640万円 |
専門・短大卒 | 2億1450万円 | 1億7530万円 |
大卒 | 2億7000万円 | 2億1670万円 |
参考元:ユースフル労働統計

高卒よりも大卒の方が生涯年収が5000万以上高いとされているため、例え高卒で大卒者よりも4年早く働き始めたとしても、結果的にもらえる生涯年収は大卒者の方が高いのがこの日本の常識です。
ちなみに専門卒・短大卒と高卒とでは生涯年収に大した開きはありません。
日本の親御さんがなぜ大学まで卒業することを強く勧めてくるかというと、結局はこの生涯年収のデータを見て
『高卒だと稼げるお金が少ない』
ことを理解しているからです。
おそらく大学中退者のほとんどが、親御さんから大学を中退する意思を強く反対されていることでしょう。
このデータだけで大学中退者の良し悪しを決めるのであれば、間違いなく
と判断できます。
実はあまり語られていない大卒者の苦しい現実

とはいえ、上記のデータはあくまでも『今までの時代の話』であり『これから働く世代には大して当てはまらない可能性が高い』と言えます。
そもそも上記のデータは、日本の高度経済成長時代から働いてきた人たちが作り上げたデータになります。

その頃に、労働者を確保するための特典として『終身雇用制度』が作られ、年功序列の仕組みで働き続ければ収入が上がる制度を取り入れて従業員のモチベーションを上げていました。
その中で、従業員の上の立場に立つ人材が主に『大卒者』だったため、高卒者よりも大卒者を優遇して給料をアップさせ、この高卒と大卒の賃金の差が作り上げられたのです。
しかし現代のニュースをチェックすると、以下の3つが企業のトップから公言されています。
- 年功序列制度の崩壊
- 終身雇用制度の終焉
- 同一賃金化の開始
今まで会社で頑張れば年齢と共に給料が上がる仕組みを作っていた企業も、現代の
- 『物が売れない時代』
- 『IT化の波』
を受けて高度経済成長時代に作られた特典を維持することが不可能だと肌感覚で理解しています。

そして同一賃金化が始まれば、派遣と正社員の待遇差は縮まり、今まで正社員として何もせずとも高い給料が貰えていた人はバッサリ切られることになります。
つまり何が言いたいかというと、大学生活を楽しんで就職したら、そこから年功序列で給料が上がることを願っていた学生が、就職してみたらこの現実に直面し、全く給料が伸びずに多額の奨学金返済に苦しむことになるのです。

年功序列で給料が上がっていくのであれば、奨学金の返済も大した金額ではなくなりますが、これが年収400万前後の生活が一生続くとなると、大学卒業後40歳になるまでずっとこのお金を支払わなければならないのです。
場合によっては『大学を中退するよりも苦しい状況』で生きる大卒者も数多く出てきますから、それを考えると、大学中退したくらいで人生が終わるなんて言葉は使えなくなるはずです。
現代の全年齢の平均年収は400万前後(これからもっと下がる)ですから、ただ大学を卒業しただけでは高卒者・中退者以上に大変な人生が待っていることもあります。
大学中退よりも『ニート』を続けることの方が深刻

高度経済成長時代の特典である『年功序列・終身雇用』が壊れれば、これから始まるのは『実力主義の世界』です。
つまり学歴は当然一つの能力指数となるため大事ではありますが、それ以上に
『どれだけ企業に貢献してくれる人材なのか?』
ここが強く求められる時代になります。
もしこの時代がやってくれば、大学中退者からしたら学歴の枠が取り払われる(一部高学歴の優遇は多分変わらない)ため、今までの年功序列社会とは違い、チャンスが増えます。
現に私の知り合いに大学中退者がいますが、その方は中退してからプログラミングのスキルを身につけ、現在は年収1000万近くを稼ぐエンジニアとして働いています。

むしろリスクとなるのは
『大学中退した自分に劣等感を感じてニートを長年続けてしまうこと』
です。
団塊世代の退職・少子高齢化による新卒の現象によって、現代は20代30代であればいくらでも正社員になれる環境はあります。
それなのに見えない劣等感に自分の価値を下げてニートを続けてしまうと、それが自分の成長・収入のアップを遮断することになってしまうのです。
大学中退という事実よりも、この先は『ニートの期間』が長引くことの方がリスクが大きいです。
大学中退から這い上がり大卒者以上の年収を稼ぐことは可能です!

とはいえ、大学を中退したりフリーターの時期を過ごしてしまうと、周りからポジティブな言葉をかけられることはほとんどなくなります。

現代はIT社会であり『情報』の取り方さえ間違えなければ稼げる金額の上限は取り払われます。
現に今の時代で活躍している社長やフリーランス・会社員の中には、中卒・高卒・大学中退の人なんて山ほどいますからね。
ではこの情報化社会で大学中退の立場からどのように這い上がるべきか?
これに関してはいくつかルートはありますが、とりあえずまずやるべきことは『条件の良い環境への就職』を目指すのが手堅いです。

まずは収入の柱となる正社員の仕事を見つけることで、その先のキャリアが見えてくることになります。
実際、大学中退のニートの状態から正社員になる方法はたくさんありますが、その中でも代表的なルートは大きく3つ
- アルバイト・派遣からの正社員登用
- ハローワーク・職業訓練から正社員
- 転職エージェント・就職エージェントからの転職
それぞれ1つずつメリット・デメリットを見ていきましょう。
1,アルバイト・派遣からの正社員登用
大学中退をしてしまい、そこから数年間のニート生活を続けてしまうと、正社員いなることが難しいと考えて最初にアルバイトや派遣を選び、その後正社員登用を目指す働き方を選択する方も多いです。
これに関しては、バイトや派遣で働いてお金を貰いながら正社員を目指せるため、一見最適な手段に見えるかもしれませんが、現実は少し違います。

もちろん環境によっても正社員へのなりやすさは変わってきますが、一度アルバイトの立場で働いてしまうと、それだけで正社員への道が遠ざかることもあるのです。
派遣に関しては、最近では『派遣切り』や『正社員登用の文字で人材を募集するだけ』の企業もあるため、将来的に正社員になれる確約がありません。
つまりこの選択肢一つで正社員を目指そうとすると、途中で道から外れる可能性が高く
『この選択肢に絞って就活することはリスクが高い』
ことは覚えておきましょう。
2,ハローワーク・職業訓練から正社員
一度ニートやフリーターになったり、学校を途中で退学してしまったら、正社員になるためにハローワークの職業訓練を利用することが正しい風潮があります。

ハローワークを利用するデメリットに関してはフリーターがハローワークに足を運ぶと泥沼にハマる件の記事で詳しくお伝えしていますが、実際ハローワーク経由で正社員になって後悔している人は山ほどいます。
結局のところ、ハローワークは『国』が運営するサービスですから、利用者が就職しようがしまいが自分の給料に何も影響がありません。
逆に国ではなく『民間』が運営するサービスである就職サービスは、利用者が就職して仕事を長く続けてくれないと、会社の収益源となる『企業からの紹介料』が発生しないため、自分の給料に影響が出てきます。
求人サービスの業界は競争が激しいですから、ちょっとでも悪い求人を扱えばすぐに悪い噂が出て会社が存続できなくなるリスクがあります。
となると、働いている人たちは全力で利用者のサポートをし、質の高い求人を厳選して紹介するための努力をします。
この話で、国営のハローワークと民間の就職サービスのリアルが見えてきたはずです。
とはいえ、ハローワークの求人全てが悪質とは言い切れませんので、仕事探しをする際の一つの選択肢として頭の片隅に入れておきましょう。
3,転職エージェント・就職エージェントからの転職
こちらの選択肢から正社員の仕事先を探すメリットとしては
『人材確保に広告費をかけられる企業に応募ができること』
です。
転職エージェントや就職エージェントとハローワークの大きな違いは
になります。

ハローワークは無料で求人を出せますから、当然求めていない人材がわんさか応募してくるため、人材不足のブラック企業からしたらありがたい環境ですが、利益の出ている質の高い企業からしたら、その応募に対応するのは面倒です。
つまりブラックではない求人に応募するためには、お金をかけて求人を掲載しており、尚且つ
『一部の利用者にだけ紹介できる非公開求人を多数抱えているサービス』
の利用がベターです。
転職サイトの場合は、多くの求人を一般公開しているため、ややブラック企業が混じっている印象が強いですが、就職エージェントに関しては『非公開求人』の扱いが多く、尚且つ
『ニート・フリーター・第二新卒専門』
で求人を扱っているため、大学中退のニートが正社員からの転職者に混じって就職活動をする必要がなくなります。

どの方法で正社員になっても正解は正解ですから、基本的には自分に合った方法を取り入れて行動を起こすことが大事です。
ただ大学中退でニートをしていた場合、社会的な扱いは
- 未経験
- 高卒
- 職歴・スキルなし
となりますから、そうなると数あるサービスの中でも特にニートやフリーター・第二新卒に特化した
『就職エージェントの利用』
が一番手堅い選択肢かと。
就職エージェントだからこその強み
こちらのサービスは、普通の正社員転職を考えている人はターゲットではありません。
つまり掲載されている求人の会社は
『ニートやフリーターなどを積極的に受け入れたい』
そう考える成長企業だけが採用を考えてくれています。
つまりハローワークのように、シンプルに無料で労働者を求める企業とは違い、
『お金を払ってでも第二新卒・フリーター・ニートを採用する』
そのような会社が揃っているのです。

・未経験からのキャリアカウンセリングを徹底的にサポート
・ニート・フリーターでも応募できる非公開求人を多数紹介してくれる
・ニート・フリーターが弾かれやすい書類選考なしで応募可能
・就職までのサポート・就職後のサポートが徹底されている
・掲載求人の大半を直接訪問して企業内の実情を調査済み
簡単に言ってしまえば、私たち求職者が一人では絶対にできない『企業の見えない部分』を洗い出してくれて、それを赤裸々に生の情報として伝えてくれます。
これと同じことを膨大なハローワークの求人から一人でやろうとするのはまず不可能です。
数ある選択肢の中でも、この就職エージェントのサポートは自分の就職活動をかなり楽にしてくれます。
パソコンの画面上で記されている企業の待遇や条件を見ても、結局それは文字と数字でしかないため、企業の生々しい実情は見れません。
ですがこのサービスの担当者たちは、この画面越しの情報よりさらにリアルな企業の内情を理解しています。
この情報を聞いてサポートを受けながら就職活動をするのと、ただ求人広告を見て仕事を探すのとでは結果に大きく違いが出るのは言うまでもありません。
大学の中退なんて今の時代いくらでも逆転可能
数十年前のように、学歴が全てを決めていた時代とは大きく違い、現代は学歴よりも重視される項目が増えてきています。

今の時代、学歴だけで生きていけるのは一部の公務員くらいです。
民間企業は『学歴・年功序列社会』から『実力社会』に切り替わり始めているため、ただ大学を中退したくらいで人生に絶望する必要なんてありません。
もっと言ってしまうと、一部の高学歴な大卒以外は年収400万前後しか貰っていない現代の年収事情がありますから、実際学歴フィルターの神話もすでに崩壊しつつあります。
中退した事実は消すことはできませんが、それでも
『ただ大学を中退したくらいでは現代で負け組にならない』
ことは、年収というリアルな数字で証明され始めていますから、くれぐれも学校を辞めただけで人生をストップさせないように気をつけてください。
体験談:引きこもりニートを脱却するにはどうすればいい?元プータローが実践したこと!
まとめ

大学中退したくらいで『負け組』のレッテルを貼ってくるような人は、その時点でかなり狭い世界を生きています。

大学中退だろうが高卒だろうが中卒・ニートだろうが、現代は稼いでいる人は稼ぎまくっています。
逆に超高学歴であっても、学歴以外の能力を磨いていかなければ年収400万前後で生涯を終えることも多々あります。
これはあくまでも私の定義ですが、結局負け組というのは
『自分の人生を諦めた人』
のことであって、ネガティブな要素を抱えている状態は全く負け組ではないと考えています。
むしろ強烈なコンプレックスがある人の方が、そこからの反動で強烈なジャンプができたりしますからね。
私もただのフリーターの状態の最悪な過去があるからこそ

と反骨心が湧いてきましたから。
大学中退・ニートのレッテルなんて関係ありません。
ここからやってやりましょう!




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