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高卒からの就職で、一つの勝ちパターンとも言われている職種の一つが『工場』。

もちろん働く環境によって勝ち組・負け組の定義は異なりますが、それでも工場勤務は高卒の選択肢の中では安定していると考えられているため、結婚相手でも工場勤務は意外と印象が良いことも事実。

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しかし、工場で『働いている側』の視点に立つと、正直この工場勤務が勝ち組とは思えない環境の事例が多々あります。

そうなると、考えるのは工場からの『転職』。

しかし高卒が一度工場に勤務してしまうと、その先転職できる選択肢がないのでは?と考えてしまいます。

高卒で工場で定年まで働くのが正解なのか?
それとも早めに見切りを付けて新しい転職先を探すべきか?

ここでは、高卒から工場勤務を選んだその先のキャリアプランについて、現代の年収事情・転職事情を交えながらお伝えしていきたいと思います。

ちなみに高卒で工場勤務をしていても、工場以外の選択肢はあります。

学歴が高卒で工場からの転職は絶望的なのか?

まず、高卒で工場で働き始めた場合、転職先として工場以外の選択肢を選ぶことは可能です。

世間一般的には

『工場勤務の人間が転職するのはかなり難しい』

『高卒で転職しても給料が落ちる』

なんて言われていますが、これに関しては『誰がその発言をしているのか?』を一度考えればそう言われる理由がすぐに分かります。

工場で働く人の可能性を潰しているのは工場の人

そもそも工場で働いていると、当然関わる人たちの多くが『工場の人』になりますので、一つの閉鎖的なコミュニティで情報が拡散されます。

補足

視野を広げればそんなことはないと分かっていることでも、コミュニティが狭まれば本当にそれが事実のように聞こえてきます。

例えば工場で正社員として働いている自分が、ある日

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『俺工場から転職しようと思うんだよね〜』

と周りの仲間に話したらどんな返答が返ってくるでしょうか?

おそらく、この質問に対する返答のほとんどは

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『工場から転職なんて無理だからやめとけ!』
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工場が一番安定しているから転職はやめたほうがいいよ!

このような否定的な意見でしょう。

なぜなら

『その人自身が工場以外の選択肢を諦めた人生を過ごしているから』

です。

つまり、自分が転職を相談する人のほとんどが『自己正当化』のために工場以外の選択肢を否定しやすい環境に身を置いているため、ここで

『おお!転職したらいいよ!』

と前向きな答えを出してくれる人に出会うのはほぼありません。

この『工場』という閉鎖的な環境こそが、工場=転職できないの悪いイメージを作り上げていると言えます。

高卒でも転職できる工場以外の仕事

仮に今働いている工場を辞めた場合、どのような業界に転職できるのかはある程度目星は付けておきましょう。

とその前に、高卒の工場勤務を数年していた人が

『確実に転職できない環境』

を最初に潰しておきます。

高卒の工場勤務から転職できない仕事

求人に『専門・短大・大卒以上』と書かれているもの
一部の新卒枠でしか雇わない大手企業
専門的な知識が必要な資格で働く仕事

『肩書き(大卒・新卒)』や『資格』に関しては、自分が数年単位で努力して取得しなければどうにもならない要素なので、高卒で工場勤務からの転職の場合は選択肢から外す必要があります。

逆に考えれば、これらの条件以外の仕事であれば、やり方次第で転職は実現可能だということです。

数ある仕事の中でも工場勤務から転職できるものをいくつかピックアップしてみましょう。

営業職

求人の中でも『未経験歓迎』と書かれている職種の多くはこの営業職になります。

そもそもなぜ営業職がここまで人材を募集しているかというと、シンプルに

『営業がいなければ会社の利益が出せないから』

です。

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この営業マンがいることで初めて会社の商品・サービスが世の中に知られることになる(広告・ネットでも宣伝できますが)ため、常に企業は営業職の人材を求めています。

工場勤務から営業職に転職する場合の注意点としては『仕事内容が対人』になることです。

工場は黙々と作業する仕事が多いですが、営業は人と話すことが基本です。

人との関わりがあまり好きではないから工場を選んだ場合には、この営業職は不向きです。

逆に、工場勤務で人との関わりが少ないことに不満を抱えている場合は、営業職に転職すると仕事のモチベーションが上がるかもしれません。

営業職の詳細

高卒で転職した場合狙える年収:300〜600万
営業職で求められる能力:対人スキル・セールススキル

専門職

これはいわゆる『資格』を取得して働く仕事です。

よく『手に職をつける』と言われますが、あれは専門職を指している言葉でもあります。

専門職でも人気の高い仕事としては

看護師
美容師
整体師
介護士

などが挙げられますが、一部の人気資格は学校に数年通ってから働くことになりますが、職種によっては数ヶ月で資格を取得できるものもあります。

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『介護士』などは人手も不足していますし、資格取得もそこまで時間がかからないため、工場勤務の方でも転職しやすい職種です。
専門職の詳細

専門職で狙える年収:300〜700万(職種による)
専門職で求められる能力:資格取得・現場での実務経験

技術職

技術職といっても幅はかなり広いですが、高卒の場合、多くの人がこの技術職を避けて転職活動をしがちですが、実は高卒からの転職でも技術職はできます。

分かりやすい例が『エンジニア・プログラマー』。

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これらの仕事は、若い頃からITの勉強をしてきた一部の人だけができると思われていますが、実際はプログラミングスクールに10週間程度通えば未経験からでも転職できる環境はあります。

マーケティング・コンサルティングの仕事も一つの技術職に含まれます。

研究職・開発職・設計職などの『ものづくり』をする上で技術職の人材は欠かせませんが、それだけに人材も常に不足している現状があります。

高い向上心・高い集中力が求められる仕事ではありますが、工場勤務であまり人と関わらない仕事が性に合っている場合には、この技術職への転職も検討してみましょう。

年齢が若ければ未経験でポテンシャル採用を取り入れている企業もたくさんあります。

技術職の詳細

技術職で狙える年収:300〜1000万
技術職で求められる能力:その分野の専門的な知識・探究心

接客業

スキルや経験があまり求められず、全く違う業界からでも比較的転職しやすいのがこちらの接客の仕事です。

とはいえ、接客業の大半はアルバイトや派遣だけで仕事が回るため、社員として働く場合にはアルバイトのマネジメントや責任者の立場となることがほとんど。

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周りと差別化を図ることが難しい仕事でもあるため、長期的に見ると高い年収を狙うことは難しい業界でもあります。

つまり、入り口は広いけど出口も広い(離職率が高い)ということです。

正直、工場から接客業へ転職するメリットがあるかは環境によりますが、それでも仕事に対して『やりがい』や『人との触れ合い』を求める場合には検討する余地はあります。

接客業の詳細

接客業で狙える年収:300〜500万(職種による)
接客業で求められる能力:おもてなしの精神・対人関係のストレスに耐えるメンタル

工場を辞めた場合のリアルな自分の市場価値(年代別)

とはいえ、転職に関しては100%OKと言える保証はありませんので、もし工場から転職を考えている場合には、感情論を抜いた

『リアルな自分の市場価値』

を理解しておく必要があります。

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転職活動では、企業が用意した様々な基準をクリアした人だけが採用されます。

転職活動をする場合、とりあえず一つ言えるのは

20代であれば工場以外の転職は大して難しくはない

という事実です。

20代は『ポテンシャル採用』なので未経験・スキルなしもOK

もちろんこれは職種がある程度限定されはしますが、20代(特に前半)は転職市場では即戦力ではなく『ポテンシャル採用』の枠組みに含まれるため、工場勤務などのブルーカラーの仕事以外の『ホワイトカラー』への転職も可能です。

ポテンシャル採用とは?

人材の潜在能力・未来の可能性を評価して採用する方法

これを掲げて人材を募集している企業が求めているのは、若さとチャレンジする気持ちです。

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40代50代中心の職場になると、どうしても今までのやり方で仕事を進めることが増えますが、そこに20代30代の若手が入ることで企業に新しい風を取り入れることができます。

例えば今の時代、インターネットが普及しているのに若者の知恵がなく年配層だけの組織運営をしていれば、ネット社会に適応できずに倒産に追い込まれることもあります。

今の20代は当たり前のようにITリテラシーが高いため、この人材を呼び込むことで組織として凝り固まった価値観を良い意味で破壊してもらえるのです。

30代は『スキル重視』の採用になる

ポテンシャル採用が通るのはどんなに遅くても20代後半まで。

工場勤務で30代に突入した場合、そこからの転職は20代よりも難しくなります。

そもそも工場勤務で得たスキルは

『他の職種で通用する経験・スキルにはならない』

ため、30代で工場から仕事を変える場合は、転職市場では『ほぼ未経験の扱い』になります。

そうなると、自然と企業はポテンシャル採用で20代を優先的に取るため、間違いなく転職は苦しい状況に追い込まれることになります。

この状況で30代の工場勤務の人間が転職するために選ぶ選択肢は3つ

1,事前に企業の即戦力となるスキルを身につけておく
2,人手不足の職種に転職してスキルを磨く
3,時代の流れで人材が必要な業界に飛び込む

少なくとも、この中の2つの条件をクリアしておけば30代でも転職は十分可能です。

1,事前に企業の即戦力となるスキルを身につけておく

企業が求めているスキルは、一部大手企業を除いてそこまでハイレベルなものではありません。

事前に資格取得やスクールに通うことで、30代でも即戦力として働ける職場はたくさんあります。

事前にスキルを身につける事例

プログラミングスクール←エンジニア転職
マーケティングスクール←マーケター転職
資格取得←士業転職

2,人手不足の職種に転職してスキルを磨く

現段階で深刻に人手が不足している業界であれば、30代の工場勤務者であっても雇ってくれることはあります。

人手が不足している・しやすい業界の特徴

人の入れ替わりが激しい(営業職・介護職など)
スキルを持つ人材が少ない(エンジニア・マーケターなど)

3,時代の流れで人材が必要な業界に飛び込む

これは人手不足の職種の補足でもありますが、私たちが生きる世界は常に『時代の流れ』によって仕事が消えたり新しく出てきたりします。

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昔は当たり前だった『切符切り』や『電話交換手』などの仕事は、現代にはありません。

数年前では考えられなかった『youtuber』『インスタグラマー』などの仕事は、現代では当たり前になっています。

その時代その時代によって、新しく生まれる仕事が必ずあるため、その時代に合わせて業界に飛び込めば、たとえ未経験であっても先駆者としてスキルを磨くことは可能なのです。

これからの時代で求められる仕事の一例

IT関係:スマホの普及で急速なネット社会が進んでいる
介護関係:少子高齢化が確実
ゲーム関係:オンラインゲームの需要激増

高卒の工場勤務のリアルな未来を数値化してみる

仮に今働いている工場での仕事を『定年』まで続けた場合、どのような未来が待っているのかを数値化しておくと、転職に踏み切るかどうかの決断がしやすくなります。

まず、高卒で工場に就職している人たちの平均年収を調べてみると

高卒の工場勤務の平均年収(大手メーカー参考値)

20代:300~400万円(手取り20~30万円)
30代:400~500万円(手取り25~35万円)
40代:500~600万円(手取り30~40万円)

年収だけ見るとそこまで悪い数字ではなさそうです(中小の工場の場合もう少し年収が下がる可能性がある)。

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仕事が楽しいかどうかは人それぞれ価値観は違いますが、年収を数字ベースだけで見れば他の職種と比較しても条件は良いことが分かります。

実際工場勤務をしている人であれば、長期的に安定した収入を得られるため、銀行からの信用も高く、マイホームの審査も通りやすいです。

ただ、工場勤務のデメリットを挙げるならば

日勤・夜勤の交代制で体力的に辛い
人との関わりがない閉鎖的な環境で仕事を続けることになる

これらの不満要素が出てきます。

つまり高卒で定年まで工場勤務を続けた場合、安定した収入を得られる可能性は高いが、年齢とともに体力的・精神的に辛くなる可能性が高く、人との関わりは閉鎖的な環境だけになるでしょう。

補足

この先の人生で『そこそこの安定』を取るならば工場勤務は続ける価値はありますが、仕事に対してのやりがいや人との関わりを増やして働きたい場合には、1年でも若い時に別業種でのキャリアを積んだ方が転職はしやすいです。

30代40代まで工場を続ければ、その後別業種に転職する難易度がグンと上がりますからね。

高卒で工場に就職=終わりではない!

今回最初に打ち出したテーマ

『高卒で工場に就職したら終わりなのか?』

これに対する結論としては『終わりではない』ことが今回の内容ではっきりしたことでしょう。

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20代であれば、工場勤務の過去を持っていたとしても積極的に採用したい企業は山ほどあります。

これは転職エージェントに相談すればすぐに分かること。

高卒で工場に就職した人を終わりと話しているのは、転職を諦めた周りの人たちだけです。

実際行動を起こした一部の人たちは、そんな否定的な意見を受けながらも別業種で着実にキャリアを積んでいます。

いきなり工場を辞める必要はありません。

とりあえずまずは自分の今の状況をプロに相談し、そこから今の自分に選べる選択肢は何なのか?それを確認することから始めましょう。

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