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『ニート』の過去を持っていると、その事実に対して肯定的に受け止めてくれる人間は社会にはまずいません。

もしいるとすれば、それは

『自分自身が過去にニート経験がある』

人くらい。

一言で『ニート』と言っても、そこにたどり着くまでのプロセスは人それぞれ。

学生時代にいじめ・嫌なことがあってニートになってしまった
社会に出て馴染めずに働けなくなった
信じていた人から裏切られて心が折れて引きこもった

ニートをしている方には、それぞれ『絶対に人には言いたくない背景』を抱えて仕方なくニートを選択しています。

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自ら進んでニートをやっている人がいるとしたら、それは極少数でしょう。

一度ニートの道に入ると、そこから抜け出すためにバイトを始めようとしても、過去に経験したことのないような恐怖が出てきます。

ここでは、ニートが戦うことになるその恐怖の正体、そしてその恐怖に対する具体的な対処法・未来の変え方について元ニートの経験がある私が体験談を交えながらお伝えしていきます。

もし、現状ニートの状態で新しいことを始めるのが怖い場合、今回の内容を最後まで読めばその恐怖の原因と解決策が見えてきます。

ニートは楽←これはニートをしたことがない人たちの視点

まず、私自身はニート経験も社会での経験もあるため、ニートに対して冷ややかな言葉をかける人の気持ち・ニート側の気持ちの両方を理解しています。

バイトをしたい‥。

その気持ちを持っているということは、少なくとも現状のニートの生き方を変えて一歩進みたい気持ちを持っているはず。

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しかしいざその一歩を踏み出してみると、思っている以上にニートに対して世間は冷たい言葉をぶつけてきます。

『何年もニートをしていたのは甘えだよね?』

『ニートが活躍できるほど社会は甘くないよ』

社会で働いている人たちは、自分たちを『大変な仕事をしている』立場から発言をするため、基本的には『ニート=楽』の解釈でポジショントークを展開します。

つまり、ニートが何を言っても心のどこかでは『ニート=楽・甘え』と思っているため、言葉で説得するのは極めて難しいです。

ニートにはニートだからこその恐怖・悩みがある

実際私も過去にニート=甘えだと思っていた時期がありましたが、20代の中盤で一時的にニートを経験してから、初めてニートの立場の気持ちが理解できるようになりました。

最初にもお伝えした通り、ニートになる人は

『進んでニートを選びたいわけではない』

ため、ネガティブな背景を背負って生きています。

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つまりニートをしている期間も常に自分とのセルフトークを繰り返し、自分に対してネガティブな言葉をかけ続けてしまうのです。

これは『学校を数日休んだ時』に少し似ています。

毎日通っていた学校も、ある日突然何かしらの病気やサボりの理由で2〜3日休むと、今まで何も考えずに『おはよ〜!』と入れていたクラスに、なぜか緊張するようになります。

これが2〜3日であればまだクラスに入ることに違和感を感じる程度で済みますが、1週間2週間の長期的な休みになると、今まで通っていたクラスに入るのが恐怖に変わります。

その感覚とニートを比較するならば、学校ではなく社会に出ようとするニートの方が100倍辛いと思います。

何年もニートを続けていた場合、尚更社会が恐怖に感じることになります。

ニートをするとバイトすら怖くなる3つの理由

では、なぜ一度ニートを経験してしまうとここまで社会に対して恐怖を感じてしまうのか?

この根本原因を掘り下げていきましょう。

補足

ちなみに、私たち人間は生きている限り誰しもが『恐怖』と戦っています。

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なのでニートだけが特別人生に対して恐怖を感じているわけではなく、ニートを経験した人だけが感じる『特殊な恐怖』を持っていると考えましょう。

この特別な恐怖があることで、ニートが社会復帰をするためにバイトを選んだ際、その恐怖がムクムクと表面化してくるのです。

その特別な恐怖の原因は主に3つ。

1,一時的な社会からの離脱による恐怖
2,同世代よりも劣っている感覚による恐怖
3,周りから『ニート』として見られる恐怖

一時的な社会からの離脱

人は仕事をする場合、必ずどこかの組織に所属して業務をこなします(個人事業主は別)。

ある意味そこが自分の『社会』になるわけですから、そこから離脱して家で引きこもるニートになれば、その環境を思い出して働いている人たちと今の自分を比較します。

すると、心のどこかで

『みんな頑張って働いてるのに自分は‥』
『今自分は社会で仕事すらしてない人間‥』

様々な理由を付けて、自分自身に対してネガティブな要素を当てはめていきます。

たとえこの社会からの離脱が数週間程度であっても、それが与える影響はなかなかのもの。

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これが1年2年と続いていけば、学校を数日休んだ時とは比較にならないほどの恐怖を覚えることは当然です。

同世代よりも劣っている感覚

自分を悲観的に見るだけなら、まだ気持ちに余裕がありますが、人は必ずネガティブなことを考えた場合

『他者との比較』

をするため、これがまたニートの自分を苦しめていきます。

というより、他者との比較は『社会人の方も苦しんでいる』ことがほとんど。

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高卒で社会人をしている人たちは、大卒で活躍している人と自分を比較して劣等感を持つことがありますし、大卒の社会人は自分よりも高学歴の人と比較して苦しんだりします。

比較をしている限り本当の幸せは手に入れられませんが、ニートの場合、この比較対象となるのが『社会で働いている人たち』になるため、社会で働いている人同士の比較よりも劣等感は強め。

ちなみにフリーターが思い切って同窓会に行った時の惨めな体験談の記事では、私がフリーターの立場で同窓会に行き、そこで強烈な劣等感を感じた体験を赤裸々に話しています。

同じ地域で生まれ、同じ学校を出た同世代の人間よりも劣っている自分を見ると、どうしても他者とに比較により、社会復帰の一歩が恐ろしく感じてしまうのです。

周りから『ニート』として見られる恐怖

社会復帰するまでも大変ではありますが、その先の『元ニート』として見られ続ける未来を想像すると、またさらに恐怖が上乗せされます。

例えば新しい職場でバイト・社員として働き始めた時、職場の噂で

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『あの人前はニートだったらしいよ』

なんて噂が出れば、自分の印象は悪くなることを恐れます。

結論としては、真面目に働いていれば過去をバカにしてくる人間は一部の嫌われている人たちだけ。

それ以外のまともな人たちからはニートの過去があったとしても、今この瞬間頑張っていれば正しく評価してくれます。

太っている人がおしゃれな洋服屋さんに入る時

『自分の体系だと店員に笑われるかも‥』

そんなことを考えることもありますが、結局これも『ただの被害妄想』でしかありません。

周りは思っている以上に他人に興味がありません。

しかし社会から離脱していた期間の長いニートの場合、この被害妄想となる恐怖が人一倍強くなってしまうのです。

これらの理由で一歩が踏み出せない場合は引きこもりニートを脱却するにはどうすればいい?元プータローが実践したこと!の記事で私のリアルな体験談をお伝えしています。

ニートが働くのが怖い状態でもできる仕事はあるの?

ニートの社会に対する恐怖は、結局突き詰めれば『対人関係』に行き着きます。

つまり、本音は働くのが怖いのではなく

『今の自分が新しい環境で周りから変な目で見られる』

ことに対しての恐怖が一番強いのです。

それに加えて

ニートだった自分がちゃんと仕事ができるのか?
週に何回も働けるのか?
ちゃんと朝起きて仕事ができるのか?

それらの細かい恐怖が人間関係の恐怖の土台に上乗せされているだけ。

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それを考えると、ニートの状態からバイトを始める場合、真っ先に取り除くべき恐怖は『人間関係』の恐怖になります。

ニートが続けられるバイトの見つけ方

例えば、ニートの状態でいきなり陽キャ・パリピが集まる居酒屋のバイトを始めるのは、正直しんどいですし辞める可能性が高いです。

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これは容易に想像できますよね?

そして、ニートは今まで閉鎖的な環境で人間関係を遮断してきたわけですから、接客業・サービス業の仕事は若干ハードルが高いです。

そして体力的な問題として、いきなりガッツリ週5週6の仕事をすると、途中で体力的にしんどくなり辞める可能性も考えられます。

昼夜逆転していれば、早朝からの仕事だと起きれない可能性もある。

つまりニートがまず取り戻すべきは『普通の生活』なので、最初に選ぶバイトに関しては、これらの日常を取り戻すためにハードルを低く設定しておきましょう。

ニートが最初に離職する可能性の高いバイト

・朝早く起きて働く仕事
・週5週6でガッツリ働く仕事
・陽キャ・パリピのいる環境
・接客業・サービス業

人間は3の倍数で新しい環境に慣れていく

人間は

『新しい環境には3の倍数で慣れていく』

ため、3日・3週間・3ヶ月の壁をぶち壊すことができればそれが日常に変わります。

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ニートが社会に適合するまで数週間程度は辛い時期が続きますが、それを超えられればニートではなく『社会で働くこと』が当たり前になります。

最終的に越えるべきハードルは『3ヶ月』。

これを超えられれば、そこからは日常がパチッと切り替わるため、新しい環境が『当たり前の環境』になっています。

ニートが続けやすいオススメのバイト3選(タイプ別)

私がニートをしていた時のスペックは

昼夜逆転で朝起きるのがキツい
週5働ける体力がない
人間関係が恐怖に感じる
自分の経歴に強烈にコンプレックスを持っている

この状態になっていたため、かなり後方から社会に適合するための試行錯誤をしてきました。

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おそらくニートをしている方は、上記の要素が2つ以上は当てはまるはず。

この状態の自分でも働けるバイトとして強くオススメできるものは5つあります。

単発・短期のバイト

数ヶ月・数年のニート生活をしていた場合、最初はお金よりも『社会復帰』のためにバイトをするのが鉄則。

注意点

いきなり一つの小さなコミュニティで働くと、そこでの人間関係が自分の社会になるため、ハズレを引いたときにまたニートに戻るリスクがあります。

単発・短期のバイトは、関わる人間が毎回変わりますし、そもそも同じ人間と働き続けることはありません。

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つまり面倒な人間関係を構築する必要がないため、仕事に集中していればお金が貰えます。

まずここで『働く』ことに対して免疫を付け、そこから次のステップに移ると0→1が楽になります。

深夜・早朝のバイト

単発・短期バイトの段階で

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『あれっ?楽勝じゃん!』

と思えた場合は、この段階はスッ飛ばして問題ありません。

深夜・早朝のバイトは『人とほとんど顔を合わせない』ため、ニートで人間関係に不安を抱えている人からするとかなり楽に仕事ができます。

特に深夜の工場やコンビニ、早朝の新聞配達などは人が恋しくなるレベルで人と顔を合わせません。

昼夜逆転のリスクは付きまといますが、対人関係に不安を抱えている場合には、この早朝・深夜の仕事は一つの選択肢として考えておきましょう。

長期間働けるバイト

結局、どんなバイト先もハズレが多いですから、最初から長期で働ける職場に飛び込むのも一つの手です。

長期バイトは

働く時間を好きに選びやすい
同じ人間関係なので当たりを引けば楽
長期的に収入が得られる
職場の人間と仲良くなりやすい

このようなメリットがあるため、ニートでも受け入れられれば居心地が良くなります。

短期バイトをしながら長期で続けられるバイトを探し、そこで週に1〜2働いて職場に慣れてから、ガッツリ入ることもできます。

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一つ安心して長期的に働ける職場があると、メンタル・収入が安定します。

どうしても対人が怖い場合は在宅ワークもオススメ

私自身のニート経験から言えることは、とにかく最初は多少怖くても外に出ることが何よりも大事です。

今の時代家で仕事ができる世の中ですが、ニートが家で仕事をできるようになると、マジで外に出なくなります。

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そうなると、どんどん人間が怖くなっていき、気づけば一人孤独にお金を稼いで死んでいく未来が訪れる可能性が高いです。

在宅ワークメインで稼ぐのも良いですが、その中で週に1回2回程度は外で人と関わる仕事をしていた方がコミュ力はアップさせられます。

人間として生きる限り人との関わりは避けられないので、在宅ワーク+の働き方で人間関係も徐々に克服していきましょう。

稼げる在宅ワークの事例

データ入力
動画編集
ライティング業務

ニートはわざわざ不安・恐怖を取り除く必要はない!

私も一度ガッツリとニートをしてみて分かりましたが、ニートが抱える不安や恐怖はわざわざ取り除く必要はありません。

部屋から出て外に出る、そして電車に乗って人に会う。

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これだけの行動すら最初は怖く感じるようになっていますが、一度それができれば、あとは『対人関係』以外は大して怖く感じません。

恐怖を乗り越えて働くことを考えるのではなく、とりあえずまずは

『自分が一番恐怖に関していることは何か?』

それを考え、その問題に向き合うことから始めるべきです。

そして外に出てみると気づきますが、世の中の人たちはビックリするくらい他人に興味がないので、ニートの過去があったとしても辛いのは『バイトの面接で何回か落とされる』くらいです。

今バリバリ働いている社会人だって、この時点では高いスーツをビシッと着て仕事をしているかもしれませんが、1ヶ月後クビになって引きこもりのニートになる可能性もあります(特に今不景気なので)。

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自分だけが特別劣っているなんてことはあり得ません。

みんないずれニートになるリスクを背負いながら生きているのが人間です。

そんな中で、今この時点でニートをしているのが自分なだけであって、そこから一歩踏み出せばまた新たな人生の展開が待っています。

生きていれば、誰でも一生不安は付きまといますからね。

あまり深く考えずに、人間として生きるリスクを背負いながら楽しむことだけを考えましょう。

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