国内で累計200万部以上売れた有名な著書でも書かれていることですが、人間の悩みは、突き詰めれば最終的に
『人間関係』
に辿り着きます。

職場での人間関係だけならまだ規模が小さいですが、接客業の場合、職場の人間関係にプラスして
『お店に訪れるお客さん』
の対応も上乗せされます。
職場の人間関係が最悪+お店に来てくれるお客さんのクレームが多い
こんな環境で毎日働いていたら、正直

と投げ出したくなる瞬間は幾度となくやって来ます。
世界の国の中でもトップクラスに上質な接客を求められる『日本』では、接客業で働く人材のストレスの負荷は並大抵のものではありません。

サービスを受ける側にとってはこれ以上ない恵まれた国ですが、接客業として働く側からしたら、想像を絶するくらいの負荷をかけられるこの国で、接客の仕事の向き・不向きについて改めて考えてみました。
いつも頑張って接客しているのに、どうにもストレスに晒されてイライラすることが多い場合、今回の内容を読めば、自分の今の感情が間違っていないことに気づくことでしょう。
目次
【逃げ場なし!】接客の仕事中にイライラする明確な理由!
この私たちが生きる世界では、接客の仕事を選んだ以上はお客に対してイライラすることから逃れることはできません。
よく接客の業界で言われる言葉の中で
『お客様は神様』
というものがありますが、これを聞いてあなたは何を思うでしょうか?
- 神様に最高のサービスを提供する?
- 神様だから何を言われても我慢する?
神様の定義が曖昧なので人それぞれ解釈は多少違うとは思いますが、私からすれば

と思ってしまう言葉です笑。
神様はみんなが憧れる存在・頼る存在なのに、実際お店に足を運ぶ神様(お客)は、とてつもなく器の小さい人間がほとんど(もちろん人によります)。
ちょっと間違ったことをしたら、すぐに揚げ足を取ってクレーム。
ほんの少し時間がかかるだけで感情むき出しで怒鳴る。
世の中には到底神様とは思えない振る舞いをするお客さんで溢れかえっています。
学校の同級生で尊敬できる人は何人いましたか?
人に対してイライラするということは、角度を変えて捉えれば『こちら側が相手に期待している裏返し』でもあります。
お客さんに対して『これくらいはやってくれるだろう』と思っていることを悪い意味で裏切られたら、その一つの仕草でイライラします。

支払いの際に『ご馳走さま!』『美味しかった!』『ありがとう!』その一言をさらっと言ってくれるお客さんもいれば、無言でお釣りをぶん取って店を出る方もいます。
しかし考えてもみてください。
同じ地域に生まれた同じ年代の子供達が放り込まれた学校で、自分が
『この同級生は凄いな!尊敬できるな!』
と思える人はどれくらいいましたか?
私の場合は、学年で4クラス(1クラス30人前後)ありましたが、この全クラスの中でも人間的に尊敬できるのは、多くても2〜3人程度でした(割合で考えれば1〜3%前後)。
この世界では『誰かの同級生』があなたのお店に訪れています。
つまり、人として本当に尊敬できる人間が数%しかいないこの世界で、イライラせずに接客の仕事をすること自体がまず不可能な話。


接客する側が何かしらの『妥協』をしなければ成り立たないこの世界では、イライラを軽減するための対策は自ら作り出さなければ解決できません。
接客の仕事に向き・不向きはあるのかを考えてみる
ここまでの話で、接客業でイライラする要素として『こちら側の無駄な期待』と『同級生理論』をお伝えしました。
私も昔接客業をやっていた頃は、とにかくお客さんに対して期待をしていました。
ありがとうを言ってもらえるのは当たり前
丁寧な言葉遣いをしてくれるのは当たり前
最低限のマナーを守ってお店を利用するのは当たり前
ですが、これは結局『一部のお客さん』だけができることであって、その経験を私たちが多数派お客に当て込めようとしているだけの話。

これがいわゆる『イライラの原因』となり、最終的に『自分は接客に向いていない』と判断する材料に加わるのです。
もし本当に自分が接客に向いているか・向いていないかを判断する場合、このような『感情的要素』も大事ですが、同時に
『本当に自分に向いている仕事は何か?』
をポジティブな意味で冷静に分析することも大事です。
接客業に対する向き・不向きを冷静に判断するには?
やりたくない仕事から逃れる→仕事(職種)を変える
これよりも
自分に合っている仕事を見つける→職種を変える・環境を変える
この転職の流れの方が良い未来を引き寄せやすいです。
仮に『お店に来た嫌なお客さん』が原因で接客業が嫌いになってしまったとしても、その一人の人間を原因に転職をすると、また新しい環境で同じような人間が出てきたら退職する可能性は極めて高いです。

嫌なお客さんを接客するのが辛いだけであって、本質的には接客業が天職の方もたくさんいます。
それを冷静に判断する方法は色々とありますが、今の段階で接客業が自分に合っているかどうか不安な場合には、簡単に自分の強みを見つけられるリクナビの『グッドポイント診断』を一度利用してみてください。
自分では気づいていない強みも、この診断なら必ず18種類の中から5つの強みを見つけ出してくれます。
運営している会社も『リクルート(転職のプロ集団)』なので、膨大なデータを元に診断チェックを作り上げているため、自分が思ってもいなかった強みを発見できることでしょう。
全く接客の仕事が向いていないのに、それを向いていると思い込んだ状態で長年勤め続けるのは人生を台無しにする可能性が高いですからね。
今の仕事から転職するかどうかを決める3つの判断材料
接客業が嫌なのか?今の仕事が嫌なのか?を見極める
接客業に向いてないと思っていても、実は今の仕事が嫌なだけであって接客自体は好きなこともあります。
例えば、今働いている仕事先の客層が他店舗よりも悪ければ、当然クレームやトラブルの数も増加します。
しかし、それを接客業として括ってしまうと、今の仕事が嫌なだけなのに『接客業』が嫌だと変換されてしまいます。
接客業は奥が深いですし、数ある仕事の中でも対面で『ありがとう』を貰えるやりがいのある仕事。
自分が今抱えるストレスは自分の職場が原因なのか?それとも接客業自体が原因なのか?
ここは正しく見極める必要があります。
イライラの原因がどこにあるのかを考える
接客業・サービス業は、他の仕事と比較しても年収はやや低めに設定されています。
接客業 | 平均年収 |
宿泊・飲食サービス業 | 330万円 |
生活関連サービス業・娯楽サービス業 | 350万円 |
これはビジネスモデル上仕方のないことですが、少ない給料で働かされていることがストレスに影響している可能性もあります。
仮に、今の職場で高い給料を支払ってもらえればストレスが軽減される場合、イライラの原因は接客業よりも『今の自分の年収』にあるかもしれません。
10年後の理想の自分を想像する
数十年前のように、終身雇用・年功序列の仕組みが機能していた時代であれば、多少リスクがあっても我慢して正社員を続けていた方がメリットがありました。
しかし現代は『40定年(実質40代でクビ)』『終身雇用制度崩壊(退職金出ない可能性高い)』このようなご時世。
今のイライラを我慢し続けても、10年後20年後の未来でその恩恵が受けられる可能性はかなり低い状態。

今の職場で働き続けた場合、10年後の自分は輝いているか?
それをリアルに想像し、そこで先が見えない場合にはもう一度人生プランの練り直し・転職を考えておきましょう。
接客業の転職のボーダーラインに関しては接客業のストレスが溜まりすぎて辞めたい‥転職を考えるべき3つのボーダーラインについてで詳しく解説しています。
仕事は『とりあえず3年』より『自分の未来』を優先!
たとえ接客業であっても、目先のイライラで仕事を辞めるのはリスクが高いです。
しかし、そのイライラを我慢することで自分の未来が良い方向に向かうのか?そこは感情論を抜きにして真剣に考える必要があります。
ここでは『接客業』と一括りにして話を進めていますが、接客業にもあらゆる業種がありますし、離職率の高い業界なので転職することは当たり前。

『仕事はとりあえず3年続けなよ!』
その価値観が日本では浸透していますが、結局これも高度経済成長時代の価値観。
働き始めた職場で接客業に向いてないかもしれない‥その感情が出てきた場合には、なぜ自分がそう思ったのか?それを分析しましょう。
イライラを我慢し続けても、結局会社は従業員を守り続けられる保証はありませんからね。
大事なのは『自分の未来』ですよ。