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一定期間フリーターをやっていると、必ずと言っていいほど聞くことがあります。

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『ぶっちゃけ正社員よりもフリーターの方が稼げるよね!』

私がとある職場でフリーターをしている時、この話はよく話題に出ていました。

当時の私は周りの話を論理的に否定できるほどの脳みそがなかったため、一時的にこの話を信じていましたが、今振り返ってみるとこの発言は人生を破壊する威力を持った恐ろしい囁きでもあります。

もし今の段階で『フリーターは正社員よりも稼げる』と思っているのであれば、その考えはすぐにゴミ箱に捨ててください。
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世の中の仕組みを理解すれば、正社員よりフリーターが稼げるわけがないことはすぐに理解できます。

この話を信じて、長期的にフリーターを続けようとしている場合、その選択が自分の人生を破滅へと導く可能性がありますので、ここではその地獄への切符を持つ人を減らすために明確にこの話を否定していきたいと思います。

正社員よりフリーターの方が人生楽しい!←何言ってんの?

フリーターが多い職場で働いていると、休憩時間などで将来の話をした時に2つの話題が出てきます。

1,いつ今の職場を辞めて正社員になるか?
2,フリーターとして大きく稼ぐにはどうすべきか?

1つ目の話題が出てくる場合には、将来的に正社員になることを目指す前向きな話ができるので問題ありませんが、危険なのは後者の話題です。

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実際、フリーターとして働いていると常に『コンプレックス』を持つことになるため、現在の自分を正当化するために『フリーター=楽しい人生』と思い込む傾向があります。

すると、今の生活をしながらお金を稼ぐ手段を探すことになるため、当然出てくる答えは『バイトの掛け持ち』『怪しい仕事の紹介』この辺りが定番です。

フリーターの方が稼げる!そう話す知り合いの残酷な現実‥

私が働いていた職場のフリーターの知り合いは、

『正社員よりもフリーターの方が稼げる』

この言葉が口癖でした。

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事実、その職場の正社員の給料は、良くても手取り20~25万円程度でしたから、やり方次第ではフリーターの方が稼げることは事実でした。

しかし、実際にその話をしている知り合いに具体的な内容を聞いてみると

居酒屋:週5日

台の搬入:夜中週2回

コンビニ早朝:週3日

このような生活を続けて、月に貰える収入が35万円前後でした。

リアルな現実

稼いでいる数字だけ見ると確かに正社員よりも稼げてはいますが、働いている時間は『ブラック企業よりも多い』ため、この生活をしていたらいずれ体が壊れてしまいます。

この話を聞いた時、私は初めて正社員とフリーターのリアルな現実を自分の手で調べるようになったのです。

正社員とフリーターの生涯賃金をデータで数値化してみた!

短期的に稼いでいる金額だけ見れば、入社当時の社会人と比較するとフリーターの方が稼げることはあります。

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就職してから初任給が18万円だった場合、フリーターとして働けばそれ以上の金額を稼げると思えるため、こちらを選択したくなる気持ちも分かります。

ただ、一番に考えていただきたいのは

『生涯賃金』

ここです。

言ってしまえば、働き続けて稼げる金額が少なければ、目先の利益を追い求めても意味がないということです。

フリーターの落とし穴

稼げる金額を『月収』で見ると、明らかに正社員の方が少ない給料になる時期がありますが、生涯賃金の視点で考えると、いずれ必ず賃金が逆転する瞬間がやってきます。

これに関しては、具体的な数字に落とし込めばすぐに分かります。

フリーターの賃金の具体的な数字

フリーターの生涯賃金に関しては、[低すぎ‥]フリーターの平均年収・生涯年収の現実の記事で詳しく解説しているのですが、ここでは具体的な数字を計算していきます。

まず、フリーターの時給を1000円に設定します。

そして労働時間を週5で8時間働く計算にしましょう。

時給1000円
労働時間週5・1日8時間
月収1000円×8時間×22日=17万円
年収17万円×12ヶ月=年収204万円

大体これくらいの数字になります。

会社員と同じようなボーナスや手当はないため、この働き方を続けている限りはそこまで年収に上下はありません。

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ちなみに私の知り合いのような働き方をすると、この年収に若干の上乗せができます。

週5日8時間労働をしている中に、深夜・早朝のアルバイトを入れると、1日12時間程度の労働も実現可能になります。

すると、月収が25万円前後に増えるため、年収は300万円近くまでアップします。

ただ、この働き方は『若いうち』しかできないものなので、長期的に見ると収入は尻すぼみになっていきます。

フリーターの賃金アップの方法

フリーターが稼ぐ方法は、単純に労働時間を増やし続ける以外の方法はありません。

別のビジネスを自分で始めれば話は変わりますが。

正社員の賃金の具体的な数字

フリーターの賃金が計算できれば、あとは今現在正社員として働いている人たちの賃金の平均を計算すれば、生涯賃金にどれくらいの差が出るのかが数字として確認できます。

正社員の場合、年功序列で収入が上がっていくのが一般的ですが、全体の平均値としては

正社員の平均年収約450万円
男性正社員の平均年収約480万円
女性正社員の平均年収約370万円

これが今のリアルな数字です。

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実際この平均年収を見てもピンと来ないかもしれませんが、正社員の場合は『年齢によって収入に大きな開きがある』ため、年代別の年収を見ればフリーターの方が稼げると思える理由もすぐに分かります。
20〜24歳262 万円
25〜29歳361 万円
30〜34歳407 万円
35〜39歳442 万円
40〜44歳468 万円
45〜49歳496 万円
50〜54歳519 万円
55〜59歳516 万円
60〜64歳396 万円

この数字の中で、注目すべき点は『20~24歳』までの期間です。

この時期に、仮にアルバイトを週5+αで入っていた場合、この時期に正社員をしている同年代よりも大きな金額を稼ぐことができます。
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つまり、若い時期であれば『正社員よりもフリーターの方が稼げる』という説は正しいと言えるのです。

しかし問題はその先です。

25~29歳になると、年収が100万円以上アップするため、フリーターを続けている人がいくらバイトで働いても、いよいよ追いつけない金額を稼ぎ始めるのです。

正社員の賃金

この時期を超えてしまうと、あとはフリーターを続けている人を突き放して年収をアップさせていくため、結果的にフリーターと正社員の生涯年収は大きく差が生まれるのです。

正社員とフリーターの生涯賃金は3倍の差がある

年収で考えて見ても差は歴然ですが、これを『生涯年収』という括りにすると、実は

『正社員とフリーターの生涯年収の差は3倍にもなる』

計算が出ます。これは大げさではありません。リアルです。

仮に上記のデータのような正社員生活を過ごしていた人と、年収200万円前後のフリーター生活をしていた人が定年した場合、

正社員の平均生涯年収約2億円
大卒正社員の生涯平均年収約2億5000万円
フリーターの生涯年収6000~8000万円

生涯でこれだけの差が生まれてしまうのです。

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この数字に関しては、平均値を実際に計算してみればすぐに出てくる数字です。気になる方は一度試してみてください。

この事実を踏まえてから、再度『フリーターは正社員よりも稼げる』という議題を考えてみたいのですが、結局この言葉は

『18~24歳までの若者だけが通用する理論でしかない』

ため、自分の将来を考えたときに、もし周りのこの言葉を使う人がいたら情報を遮断するのが得策です。

これを信じてフリーター生活を選択すると、間違いなく人生が苦しい方向に向かいます。

フリーターが稼げるの真実

・フリーターは時間的自由がある
・フリーターの方が正社員よりも稼げる

このような発言に関しては、基本的には若い世代にしか通用しません。

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フリーターだって週に5日働けば、正社員と同じように拘束されますし、それプラス賃金は格安ですからね。
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確かにおっしゃる通りですね。

世の中で稼げない人間は『時給』で働いている

働き方に関してさらに掘り下げていくと、この世の中では『時給』で働いている人たちが大きなお金を稼ぐことはあり得ません。

例えば、何かしらのスキルを持っていて、それを高い時給で雇ってもらえるのであれば別ですが、誰でもできる仕事を時給1000円前後のお金で働いていると、結局それは

時給労働の現実

『時間をお金で売っているだけ』

になりますので、一生時給労働のループから抜け出すことはできません。

正社員になると、仕事に対する熱も入りますし、何より『自分から相手に対して価値を提供しなければお金を稼ぐことができない』ため、いかにして業績を上げるか?相手に価値を感じてもらうかを試行錯誤します。
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この時点で時給で働くフリーターとは違った価値観で仕事をすることになります。

すると当然『時給で働く』という考え方がなくなり、やらされる仕事からやる仕事へと切り替わります。

フリーターのグループに所属していると、ただ仕事をしていればお金を貰える価値観で仕事をしている人が大半なので、この状態で30代40代になっていけば、お金持ちになれない思考が作り上げられてしまうのです。

大きく稼ぐには『価値提供』で働くしかない!

もし年収200万円前後の人生で幸せなのであれば、フリーターを選択しても良いでしょう。

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ただ、お金がないお年寄りの人生ほど悲惨なものはありません。

若いうちは、お金がなかったとしても体力が有り余っているので、いくらでも楽しいものを見つけることができます。

しかし年齢を重ねていくにつれて、体も脳みそも働かなくなっていき、気づけば年収200万円以上稼げないおじさん・おばさんになって生涯を過ごすことになります。

一方で、正社員として働く人間の多くは『仕事の本質』を学ぶことになるため、人に価値を与えること=お金を稼げることを理解していきます(公務員などは別ですが)。

  • フリーター=悪
  • 正社員=正しい

私自身はこのような価値観は全く持っていません。

フリーターの価値観のリスク

しかし、若いうちから『フリーターは正社員よりも稼げる』という思考を持ってしまうと、高い確率で年齢が高くなっても同じ価値観で生きることになるため、未来で泥沼にハマる可能性が高くなるのです。

フリーターは『就職』『副業』をしなければ地獄へ導かれる

正社員の年収の平均値を見れば、いかに日本がフリーターに冷たく、正社員の待遇が良いのかが理解していただけるはずです。

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人生は一瞬の選択のミスが大きな災いを呼び込むことになります。

若いうちはフリーターに魅力を感じていたとしても、結局25歳を超えてくれば世の中の現実に直面し、このままじゃヤバイと思う時期が必ずやってきます。

もし今後フリーター生活を続けるのであれば、何かしらの『別の収益の柱』を作らなければ逆転は難しいです。

ちなみに私の場合は、フリーターをしながら自分でビジネスを始める選択肢を取り、そこで1000万円以上の貯金を貯めました。

なんとなくフリーターを続ける生活をしていたら、気づけば一瞬で30代・40代に突入します。

たとえやりたいことがなかったとしても、フリーターを続ける生活よりは、とりあえず就職のプロに相談してみるだけでも道が開けるはずです。

まとめ

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私も一定期間フリーター生活を続けていましたが、そこで『世の中のリアルな現実』をたくさん学ぶことができたおかげで、現在は危機感を持って生きることができています。

人生には正解はありません。

ただ、先駆者がいる限り『失敗する可能性の高い人生は見分けることができる』ため、自ら泥沼にハマる必要はありません。

情報の重要性

若いうちは何が正しくて何が間違っているのかがわからないことが多いですが、情報さえ取り入れることができればいくらでも軌道修正できます。

友達がダラダラフリーターを続けているから自分も‥なんて思って生きている人が、取り返しのつかない人生になっている事例もたくさん見てきました。

多くの企業が正社員の人材が足りていない中で、わざわざ地獄行きの切符であるフリーターを選択するのは明らかにおかしな選択肢となりますので、この点だけは早い段階で決断をするようにしましょう。

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